銀のいす
「銀のいす」C.S.ルイス著
「ナルニア国シリーズ」の4作目。前作の「朝びらき丸 東の海へ」前半まで、いけ好かない奴だったユースチフと、その友達の女の子ジルが、いじめっ子から逃げる途中で、何故かナルニアへ行ってしまう。そこでアスランの命により、行方不明になったカスピアンの息子リリアン王子を探す旅に出る。
ボケているのか頼もしいのか、旅の途中で出会った沼人の「泥沼にがえもん」も仲間に加わる。この「癒し系」キャラクターは、今までのナルニア登場人物の中でもピカ一のキャラだ。
「どうして約束を忘れちゃうの」と、思わず登場人物が苛立たしく思えるシーンがあるが、「普通の子どもだったら、こうするだろうな」って、妙にリアリティがあったりする。ご都合主義的要素は多いし、せっかく描いた世界観を十分表現できていない部分もあるけど、楽しくハラハラ最後まで通して読ませる、っていうのは児童文学にとっては重要なポイントだと思う。
ゲド戦記などは、はっきり言って、長い年月を経た再開後は、やるせない話になってしまったけど、ナルニアは、連続して続いているため、勇気と希望が継続したテーマとなっているので、読んでいて安心だ。